母子感染と妊娠への影響

性感染症基礎知識 : 母子感染と妊娠への影響

母子感染と妊娠への影響とは?

 性感染症はそれ自体で生命に影響を及ぼすことはありませんが、きちんと治さなければ母体が感染している病原体が妊娠、分娩、出産、授乳を通じて胎児や子へ感染してしまします。このことを「垂直感染」または「母子感染」といいます。

 また、性感染症のうち子宮や卵管、卵巣周囲へ炎症が及ぶ疾患(クラミジア感染症、淋菌感染症など)では卵管が狭窄を起こしたり閉塞したりして精子や卵子の通過を悪くします。放置しておくと、子宮外妊娠、流産、早産、不妊症などになる可能性があります。

梅毒

 胎児への影響が一番ある性感染症です。梅毒に感染した母親から胎盤を経由して胎児に感染します。胎児が妊娠早期に感染すると死産または早産になります。出産できた場合は生後数週あるいは学童期、思春期になって内臓、歯、皮膚、中枢神経などにさまざまな病変を来たします。

淋菌

 産道感染により結膜炎、敗血症、関節炎などをきたすことがあります。

クラミジア

 胎児が産道感染により結膜炎、肺炎などをひきおこすことがあります。

性器ヘルペス

 妊婦が分娩時に性器ヘルペスを発症していると産道感染により新生児ヘルペスをきたす危険があります。新生児ヘルペスでは、死亡することもあります。このため母体に性器ヘルペスの病変が認められれば帝王切開による娩出が勧められます。

HIV感染症

 妊娠中、出産、母乳のすべてを通じて感染の危険があります。現在では、子への感染を防ぐ治療や出産方法が進歩してきています。

肝炎ウイルス

 母子感染対策が進んできています。